特に改修工事となると制約も多い。
既存の柱や開口部、筋交いの入った壁等、
簡単に取っ払うことができないものが結構ある。
だったらこれ等ありきで、これ等を活かしたデザインを試みる。
■例えば、クッチーナ /CUCINA
この建物はもともとタイル店の倉庫兼事務所だった建築。
事務所部分を解体撤去し、倉庫部分を同じ形(同じ断面形状)で増築。
しかしながら中央にH型鋼の柱が残る。
だったらこれを残し空間分節に利用しよう、とステンレス化粧貼りとし、残した。
また客席のテーブルレイアウトと開口部(窓)の位置が合わない。
設けたい開口部の位置に既存鉄骨柱がある。
だったら開口部の中にそのまま柱を見せようと、ステンレスで巻き、残した。
ステンレスで化粧カバーをした柱を敢えて表現
開口部の中に残した鉄骨柱
倉庫屋根は片流れでしかも低い軒高。
当然天井も片流れとなり、目一杯高さを確保しても低い天井となる。
だったら、壁上部、天井間際に「鏡」を用いよう。
それにより天井の “低さ感” は解消され、さらに店内が広く見える効果も。
鏡を使い天井の低さをカバー
■例えば、TAKIGAHARA CAFÉ
これまで何度も増改築が繰り返されてきた民家。
筋交いが極端に少なく、もちろん既存柱は1本たりとも抜くことはできない。
既存柱に筋交いを設け、そしてそれを敢えてそのまま見せ、空間の分節に活かす。
そして分節された空間の床の仕上げをそれぞれ変え、
それぞれ異なった “場” を演出。
既存柱に構造補強の筋交いを設ける
柱、筋交いにより空間を分節
上にご紹介させて頂いた事例はすべて誰でも入れる飲食店です。
CUCINA 小松市城南町106-2
TAKIGAHARA CAFÉ 小松市滝ケ原町タ2番地1