Section R

一級建築士、野尻順滋の設計事務所

Facebook

「 椅子(チェア)の高さ 」

2015.01.04 雑記

今朝の新聞にカリモクの椅子の記事が載っていました。

最近の若い人にカリモクのロングセラー商品「Kチェア」が人気があるとのことです。

60年代から製造を始めたものだそうですが、

・若い人には目新しいデザイン

・コンパクトだが座りやすい

・使い込むほどに味がでる

が人気の理由だそうです。

要は昔からのしっかりした椅子が見直されているということだと思います。

20150104-2縮小(ドキュメント小) カリモク新聞記事

 

今回は、新聞記事とはちょっと離れますが、椅子とテーブルの高さについて書いてみようと思います。

今回取り上げる椅子は「チェア」についてであり「ソファ」ではありません。

 

ここで、話を進める前にマメ知識。

チェアは座の高さが40~44cmぐらい。

食事をしたり読み書きをしたりと、行動の目的がはっきりしていてその機能に対応する椅子、どちらかというと背筋を伸ばして座る椅子と思っています。

一方、ソファは36~40cm前後。

ゆっくりとくつろぐことが目的で背もたれに身体を預けのんびりと座る椅子と理解しています。35cmを切るソファもありますがかなり低いと思います。

また、テーブルの高さはチェアに対応するもので68~73cm、ソファに対応するものが38~42cmが多いと思われます。ちなみに事務機器メーカが出している事務机の高さはほとんどが70cmです。

 

我が家では主に3種類のチェアを使っています。

それぞれ高さが違いますね。

椅子の座のさは、左から38cm、41cm、43cmです。

20150104-3 DSC_4322

 

まず、いちばん左の椅子から。(これは30年以上も前に買ったもので多分、天童木工だったかと。)

20150104-4 DSC_4313この椅子は我家では一番使っている椅子で、座の高さが38cmとかなり低くソファ並み。対応するテーブルの高さも64cmとかなり低いものを使っています。

日常の食事が中心ですが、食事の後にお茶やデザートをつまみながらだべったりテレビを見たり、あるいは朝起きて新聞を広げてゆっくり読んだり、時には友人が遊びにきたらお茶やお酒を飲みながらのおしゃべり、とかなりのんびりと時間を過ごしながら使っています。

 

肘掛もついており座の奥行きもやや深め、、 ちょっとだけソファに近い感覚で使っています。

 

次に中央の椅子。(これはご存知の方も多いハンス・J・ウェグナーデザインのYチェア)

20150104-5 DSC_4317これは一般的な高さの椅子で座の高さは41cm。対応して使っているテーブルの高さは67cm。

この黒い椅子が欲しくて買ったのですが、黒い木製テーブルがなかなか見つからなく、やむなく70cmの高さのものを買い、脚を切って低くしてもらいました。(僕は食事の時にあまり高いテーブルは好みではないんです(笑))

 

椅子の高さは先の椅子に比べてやや高いため、食事が済んだらやはりソファ向かいます。ゆっくりと出来ないんです。

食事をするための、あるいは読み書きをするための機能重視の高さと言えると思います。

 

最後に右の椅子について。(Alias Italy /CASSINA IXC. Ltd)

20150105-6 DSC_4319

この椅子は我が家でもっとも座の高い椅子で43cmあります。仕事の打合せに使っておりテーブルの高さも73cmあり、かなり高いです。

 

この高さですと背筋も伸び、積極的に意見交換が出来たり打合せもはかどります。

また食事をすれば背筋を伸ばし、フォークとナイフを使ってというイメージがあります。

 

以上、簡単に椅子(チェア)とテーブルにの高さについて書きましたが如何だったでしょうか。

椅子とテーブルを買われる時には、もちろんデザインも大切ですがその使う目的によって高さも変わってきます。是非検討して欲しいと思います。

 

そしてしっかりとした造りのものを選びましょう。