今朝の新聞に、 金沢町家の魅力が載っていました。
町家一軒まるごと貸し出すというもので、首都圏の若者や外国人に人気があり、宿泊予約も一杯だそうです。
また、今朝のテレビ「渡辺篤志の建物探訪」でも蔵を住宅として再生した事例が紹介されていました。
時代は変わっているのだ。
現在工事中の住宅は、
「大黒柱のある、宙に梁が縦横に走っている民家風の住宅を建てたい。」
とのご要望で設計させて頂いているものです。
また、3年前に、 福井県の三国の方から、
「今住んでいる家が気にっている。
これまでも部分的に増改築をしてきたが、最後に民家部分の母屋が残っている。
この母屋を、民家の面影を残して改修したい。」
とのことでメールで依頼のお話もありました。
(写真は施主さんのブログに有ったものです。
この施主さんは改修工事の始まりから完成までを細かく書いていました。
僕は工事が終わるまで知りませんでした(笑))
そして去年、
「こまつ町家を買ってそこに住みたい、そして飲食店をやりたい、」
というご要望で設計させて頂いた「安穏」がオープンしました。
本当に時代は、変わりつつあると実感しています。
町家・民家だけではありません。
現在設計中の住宅の依頼主さんは、
「あちこちの住宅展示場でいろいろな住宅を見てきたが匂いは皆同じ。
見た目のデザインはそれぞれ違うけどみんな同じに見える。」
と仰って来られました。
(こちらのデザインのご要望は町家風・民家風ではありません。)
「古くさい」、「不便」、「暗い」から
「新しい」、「おしゃれ」、「風流」
という評価に変わった価値観。
「見た目モダンでカッコ良くても、新建材の寄せ集めの、同じ匂いしかしない住宅」から、
「少しでも本物の材料で、自分たち家族の生活スタイルを実現してくれる住宅」
を建てたいという思いへの変化。
建築空間に求められる価値観も間違いなく変わりつつあります。