伝統を再築する。
失われつつある伝統。
しかしながら、その中にある良さを見出し、
あらためて、社会とは何か、地域とは何か、
家族とは、教育とは、文化とは、等々を見直す機運が高まってきているのだと思う。
そんななか、民家や町家が持つ良さも見直され、
利活用を望まれている方が増えている。
ここからちょっと専門的なお話。
現行の建築基準法が制定されたのが昭和25年。
これ以前と以降では木造建築の造り方がまったく異なる。
現行法下の木造建築の耐震強度は筋交いと金物で”ガチガチ”に固めて保たれるが、
それ以前は木材同士の繋ぎ方(仕口)や貫き、土壁で、
”ゆるゆる”であることによる復元力で保たれていたのである。
これを、木造軸組伝統工法と呼ぶ。
五重の塔などはその解りやすい例であろう。
前者が剛構造だとすれば後者は柔構造である。
そこには地震国日本ならではの建築工法が工夫され、
生み出され、受け継がれてきていたのである。
つまり、
伝統的な工法で建てられている木造建築(民家や町家)の改修には、
現行法で求められている工法と異なった工法での改修を行わないと、
その良さが失われてしまう恐れがある。
民家や町家のもつ良さ。
その良さを失わないデザインが出来るよう、
今一度、木造軸組伝統工法を学びたい。
■民家改修例(M邸)
■民家改修活用例(叡智の杜/ウィズダムハウス)
■町家改修活用例(松雲堂)
■町家改修活用例(安穏)
■町家改修利用例(錦窯展示館)