■小松市錦窯展示館(2000年)
これは人間国宝三代徳田八十吉氏の生家だった町家を小松市が譲り受け、錦窯(絵付け窯)展示館として整備したものであり、昭和初期の”こまつ町家”が建ち並ぶ大文字町にある。
設計時に地元町内から「是非町家を残してほしい。」との強い要望もあり、通りに面した町家はほぼそのまま残し、後ろに展示館を増築した。増築に当たっては耐火建築物でという小松市の要望もありRC造とした。
「木造建築とRC造建築」、「伝統的建築と現代建築」という対峙する要素。これらを繋いだのは
① スケール感を合わすこと
② 日本空間をイメージさせる”軒の出”をアルミ庇で設け、”軒下空間”を演出したことである。
・通りに面した町家はそのままに。
ファサードにはこまつ町家をそのまま残しました。
・母屋(町家)を残し、RC造で展示館を増築
・木造建築(伝統的建築)とRC造建築(現代建築)
異なった両者をつなぐ手法としてアルミ庇を設けた。
これによりRC造の建築に日本建築の特徴のひとつである”軒下の空間”を演出し、日本建築との調和を図った。またこの庇は木造建築とのスケール感の調整役にも一役かっている。
仕上げは木造建築とも馴染みやすいコンクリート打放し仕上げとした。
・蔵の活用
こまつ町家の特徴のひとつである”蔵”にも屋根を伸ばし、展示室として利用している。
接続部の屋根はガラスのトップライト。
小松市立錦窯展示館
〒923-0931
石川県小松市大文字町95番地1
TEL 0761-23-2668
http://www.kcm.gr.jp/nishikigama/